IBM iのTotal Economic Impact™

付録A:Total Economic Impact Total Economic Impact(TEI:総経済効果)はForrester Researchが開 発した手法であり、テクノロジーに関する企業の意思決定プロセスを 強化し、ベンダーが製品やサービスの価値提案をクライアントに提示 する上で役立ちます。TEI手法を使用することで、企業は経営陣やその 他の重要なビジネス関係者に対して、ITイニシアチブの具体的な価値 を提示しながら妥当性を証明し、価値をもたらすことができます。 . TEIアプローチ 利益とは、製品が企業にもたらす価値のことです。TEI 手法で は、利益の測定とコストの測定に同じ重みを与えることで、テ クノロジーが組織全体にもたらす効果を完全に検証することが 可能です。 コストでは、提案されている製品の価値または利益をもたらす ために必要なすべての支出が考慮されます。TEI でのコスト区 分では、ソリューションに関連して継続的に発生するコストに 対する既存環境上の増分コストを収集します。 柔軟性とは、すでに行われた初期投資に加えて将来的に追加投 資を行うことで得られる戦略的価値のことです。この利益を獲 得できるということは、推定可能なPVがあることになります。 リスクとは、利益とコストの見積りの不確実性を想定したもの で、1) 見積りが初期の予測と一致する可能性と、2) 見積りが時 間を経て予測どおりに推移する可能性が考慮されています。 TEIでは、リスク要素は「三角分布」に基づいています。 ! 現在価値(PV) 特定の利率(割引率)を使用した (割引後の)コストと利益の推定値の 現在価値。コストと利益のPVは、キャ ッシュフローの総NPVに組み入れられ ます。 正味現在価値(NPV) 特定の利率(割引率)を使用した (割引後の)将来の正味キャッシュ フローの現在価値。通常、プロジェ クトのNPV の値が正であれば、他 のプロジェクトのNPV がそれより 高くない限り、投資すべきであると 考えられます。 投資収益率(ROI) パーセンテージで表したプロジェクト の期待利益。ROIは、純利益(粗利益 からコストを引いた値)をコストで割 ることによって求められます。 割引率 金銭の時間的価値を考慮しながらキ ャッシュフロー分析で使用される比 率。通常、組織は8%~16%の割引 率を使用します。 初期投資の欄には、「時間0」、すなわち1年目の始まりに発生するコストが 記載されます。これらのコストには割引率は適用されません。その他すべて のキャッシュフローは、18か月の期間終了後に割引率を使用して割引されま す。現在価値(PV) は、それぞれの総コストおよび利益の見積もりに対して計 算されます。概要表のNPVは、初期投資と各年の割引率適用後のキャッシュ フローの合計になります。総利益、総コスト、キャッシュフローの各表にお ける合計とPVの値については、端数処理が行われている場合があるため、総 和が正確に一致しないことがあります。 回収期間 投資金額が回収される損益分岐点。純 利益(利益からコストを引いた値)が 初期投資額またはコストと等しくなる 時点を指します。

RkJQdWJsaXNoZXIy MTUxNzA5OQ==